1月10日から13日までアメリカラスベガスで開催されたCES2012へデジタル映像制作媒体ProNewsの記者として行ってきました。
以前からCESにはずっと興味があり、行きたい行きたいと騒いでいたらProNewsの@inozoさんや今回見事USデビューを果たしたCerevoの@warenosyoに「行こうぜ!」と後押しされ、Press Passを取得して臨みましたよ。
ProNews:デジタル映像制作Webマガジン
Consumer Electronics Showという名前のとおり、もはやCESは家電のみの展示会ではなく個人向けのプロダクトやサービスの展示やカンファレンスでの発表などが含まれており、私の専門領域であるデジタルマーケティングやソーシャルメディアとの連携なども重要視されている。今回時間がなく、ProNewsとしての取材がメインだったので会期中カンファレンスには足を運べなかったけど、並ぶタイトルもカンファレンスの登壇者もデジタルやソーシャルメディアに深い関係のある人も多かった。
- CESに参加して気になるサービスや製品はあったか?
- CESとソーシャルメディア・デジタル・インターネットとは?
- CESデビューした日本発スタートアップCerevoとそのプロダクト、そしてその意義とは?
- LAX(Los Angels International Airport)とLAダウンタウンについて
- LAからLas Vegasまで片道$25の格安バスで移動してみた
- 話題のソーシャルサービスAirbnbを使ってみた
- Las Vegasで8日間過ごしてみた
- San Franciscoへ約4年ぶりに行って(帰って)きた
はまた別エントリーで書くとして、ProNews向けの原稿では書かなかったCESに参加しての印象や裏話などをつらつら書いていきます。
CESの期間中に撮影した写真はこちら:CES2012 - a set on Flickr
Pressは過酷!CESは会期前の2日間が重要
CESは会期前の8日・9日にPress向けのクローズドな展示会(Unveiled)やKeynote・プレゼンテーションなどが組まれています。Press同士のネットワーキングだけではなく展示会場での取材戦略を立てる情報を入手したり、いち早く各社の動向を記事かしなければならないPressにとっての生命線とも言える日程。
この2日がかなり大変だった……。
まず、Keynoteやプレゼンテーションの数が多すぎる。ProNewsは最終的に3名体制で取材に入ったものの、3名でも全く追いきれない。会場も2つのホテルに別れていてお互いがどこにいるのかすら把握するのも大変。今回は例年に増してPressの数も多く、どこに行っても何をするにも行列・人ごみ・行列・人ごみ・行列……。取材の会場に入るために2時間半以上待つのは当たり前の状況。
そもそもラスベガスという街は縮尺がおかしい。全ての建造物がかなり大きく、隣のホテルだろうが同じホテルだろうがバンケットルームから別の場所に移動するまで場合により1時間弱の時間がかかる(しかも迷いやすい)。これが全てのネック(苦笑
それでもなぜPressがこの2日間に集中するのか。それは各社が(もちろんこの2日間で何もしない企業もある。戦略的にでも、費用面でも、日程面でも)CESの発表に際して準備してきた戦略がPressにウケるか、取り上げられるか、それが話題になるかを見極める機会であることと共に、Pressに記事化してもらえるようかなりの労力を割くから。
まず8日にはUnvailedという一部の企業が事前に展示する製品やサービスをPress向けに公開する展示会が開催される。
Pressがどれだけ多く立ち寄り、足を止めてくれるか各社はかなり戦略を練っているはず。もちろん、こちらも人だかりができている物は「ウケている」または「ウケる可能性がある」モノとして受け止めるし。
9日は基本的にプレゼンテーション・Keynoteが行われる日で、9日の発表を行う会社は合わせてプレスリリースを打つことも多い。そのプレスリリースでは2012年度の戦略を表明することとイコールの場合もあるわけです多分。それで記事化されなければ(そして反響が少なければ)CESに出展した成果としてはNGなので、ウケる話題をぶつけてくるケースが大半。
PanasonicならSMART TVにMySpaceとの連携を発表したし、そこにJustin Timberlakeが登場してMySpace TVの素晴らしさについて語るし、SONYなら3D技術のアピールにスポンサードした映画「MI3(Men In Black 3)」の話題を振り、ウィル・スミスとバリー・ソネンフェルド監督がその場を盛り上げるという具合で。
ラスベガスとCESの達人inozoさんがかなり手厚くサポートしてくださったので自分なりに効率良く取材に動けたけど、何も分からずいきなり行ったら途方にくれて何も見れずに終わったかも。
CES期間前で既に3本の記事を書き、ホテルと会場の往復、終わったらひたすら写真整理と原稿書きの6日間となるわけ。
CESは展示会だけではなくカンファレンスが面白い
今回は「一切」参加できずに終わったけど、CESの展示会場(メイン会場)であるLVCC(Las Vegas Conventin Center)ではなく、ヒルトン(ホテル)やVenetian(ホテル)のバンケットルームで開催されるカンファレンスもとても面白い。ただし、Press限定やInvitation Onlyのカンファレンスも多いので参加したいと思うならホルダーか主催者になるべく早めにコンタクトを取ることが必須。
一部だけでもこんな内容(タイトル):
- The State of the Internet
- Ad Net Words Ad Serving and Ad Targeting(Hypertargeting社開催)
- The Death of the Television?
まるで飛ばしのようなキャッチーなタイトルもあるし、ババを引くケースもあるけど、登壇者に興味があったりタイトルで面白そうなものも多い。全部数えてないけど8日-13日までの間、100以上のカンファレンスが開催され、他にもWeb媒体が主催するInvitation Onlyのパーティーも開催される。
CESにはPress Passで行くのが快適(ただし制限有り)
今回、周囲の勧めもありPress Passを取得して参加したので過酷ながらも他のパスの人よりは(バイヤー・出展者など)主に飲食面とインターネット環境面・休憩場所面での恩恵にあずかれた。
- Press向けのクローズドイベント(8日・9日)に無条件で参加できる(ただし行列覚悟だし、人ごみ覚悟):
過酷だけど面白いし、食事とアルコール込のドリンク提供がある - Press Loungeが会期中使用できる:
インターネット整備・電源あり・休憩できる・水とお茶が確保でき、行列と混雑との戦いだけどランチボックスが手に入る - 会場で基本的に断らず写真撮影できる権利がある:
一部は断られたものの、記事化に必要なPress Kit(データの入ったUSBメモリがほとんど)や展示物の良いポジション確保などが可能
特にCESのメイン会場であるLVCC周辺には何もなく(近くのVC/コンビニまで歩いて20分はかかると思う)、ホットドックやサンドイッチやアイスクリームの出店もあるし水を売っている自動販売機もあるけど基本的に高いし行列だしで水と食料の確保・それに休憩場所の確保ができないととても6日間を生き延びれないw
CESのPassは入手しづらいことで有名(?))らしいので、過去の参加者から情報を入手しつつ準備をしないと厳しいかも。
以前からCESにはBlogger Passというものがあり、日本からも過去何名かはBlogger Passを取得して参加してた。が、今年はBlogger Passは単体ではなくPress Passにインクルードされ、月間UUが1000以上無いサイトはダメ。その証明のためにGoogle Analyticsの画面ショットを送らないといけなくなった。
Blogger PassではなくPress Passを取得するなら、既にPress Passホルダーである他の人の推薦が必要でもある。今回inozoさんからは推薦するのでCES事務局から連絡がきたら転送して、と言われていたけど、最終的に直接事務局とフリーランスという事業においてのBlogger Pass発行ということに落ち着いた。
来年からはどうなるか分からないけど、Blogger Passの取得基準は昨年までよりは厳しくなったことは確か。興味のある人は早めに情報を探っておくのが良いかと。
CESに参加するならCESマスターorラスベガスマスターとコンタクトを取ろう
CESはとにかくとても巨大なイベントなので、効率よく展示を見てまわるのも、会場におけるトレンドを把握するにも、そもそもラスベガスをどう動いたら良いのかも何も分からないと正直ほとんど身動きが取れないか、取れたとしても会場の大半を見て回れず損してしまう可能性が高い。
身近な人で過去の参加者がいたら詳しく何でも聞くようにしましょう。
CESは「歩き」と「シャトルバス」と「公共交通機関」を巧みに使って攻略せよ
会期中自分が行きたいと思うところがあるなら、とにかく歩き、シャトルバスと公共交通機関をうまく使わないと回りきれない。
ラスベガスは珍しい都市というか、少なくともCESの会場があるストリップ(Las Vegas Strip)付近は治安も良く、無駄すぎるほど大きいビルボードと年間の電気代をつい心配してしまうほどライトアップされたホテルと建造物が煌々としているので深夜行動しても基本的には安全。
公共交通機関も都市によってはダウンタウンのヘソ付近から乗っても「あれちょっと大丈夫か?」という雰囲気だけどラスベガスでは殆ど感じない。
CESの事務局が指定したホテルに限定されはするけれど、LVCCと各ホテルをつなぐシャトルバスや、LVCCと別の会場、LVCCとLAX(空港)をつなぐシャトルも出ているので事前に下調べ&現地で情報を収集していきましょう。
今回はシャトルバス(ホテル⇔LVCC)の他、3つの公共交通機関を使いました:
- モノレール(Las Vegas Monorail)
- 各停バス(RTC:”Regional Transportation Commission of Southern Nevada”、ラスベガスの市バス。2階建ての『DEUCE』)
- 特急バス(RTC:2車両連結の『SDX』)
特にDEUCEとSDXはかなり使ったかな。乗り方は非常にスムーズで、基本的にSDXが停車するバス停には自動の券売機があり、2時間($5)・24時間($7)・3日間($20)の3種類のパスがあり、用途によって選んで購入。パスの有効期間中何度使ってもOKなので、一番使い勝手が良いのは3Dayかな。キャッシュ・クレジットどちらでも購入可能。DEUCEのバス停には券売機がないところもあるけど、DEUCEのドライバー横にある券売機で購入できる(ただしキャッシュのみ)。
CESが運行するシャトルバスは移動する人が少ない昼間~夕方の時間帯に運行しないルートもあり、ホテルに忘れ物をしたり、Press Loungeの席がなくて原稿が書けないときはSDXに乗ってホテルまで帰り、またSDXに乗って会場に戻るということも可能。SDXはなぜか検札がないので場合によりキセルもできちゃうけど社会通念上やめましょうね(時には抜き打ちでチェックが入ることも)。DEUCEは乗車口がドライバー横に制限されていて、カードスキャンをして乗車する仕組みなのでパスは必ず持っていないとダメ。
$20という価格を高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれだけど、CES会場の攻略だけではなく、パスを買っておきさえすればStripを走るDEUCE・SDXだけではなく横移動するバスにも乗れるし、SDXの南の端にはLas Vegas Premium Outlet Mallが、北の端にはTown Square Las Vegasがあり、買い物するにも観光するにも便利。(Town Squareには若干高級志向のスーパーWhole Foodsがあるので外食費を抑えたい人も)。
Regional Transportation Commission Of Southern Nevada(RTC)Fare & Pass Information
モノレールは便利だけど乗り場まで遠い(ホテルの中を通過しないと駅に辿りつけないことも多く、とにかく歩く歩く)のでバスが楽かな。
アメリカに2日以上いるならやはり現地SIMの音声通話可能な携帯は必要
私はSIMロックフリーのiPhoneを持っておらず現地のSIMを使ったWi-Fiルーターだけのネットワーク環境だったので早々に回線がパンク(T-mobile)し、Voipサービスでの電話ができず結局お互い日本の番号同士のiPhoneで通話することに。今から請求が一体いくらになるのか怖い^^;
VoipはGoogle Voice(USからのみ番号の取得可能。通話はクレジットを入れればOK。)、Whistle(PC・iPhoneアプリのあるVoipサービス。クレジットなしで通話可能。ただしよく落ちる)、Skype Out(スカイプのテレフォニーサービス。どの国のどの番号も基本的に通話可能なはず)の3つを使用。一番音声品質がよく、ちゃんとコールができ(多分設定の問題だけど、番号があってるのに別のコールをしてしまうことも。。)て通話ができるサービスはSkype Outだった。
今回手に入れた通信機器は2つ(本当はキャンセルしたんだけどキャンセル処理が間に合わずついでに手元に届いてしまい入手できてしまったので2つ)で、T-mobileSIMロックの純正モバイルルーターと、AT&Tロゴが入っているけどSIMロックフリーのモバイルルーター(MiFi)。
既にT-mobileルーターを手に入れてしまったあとにMiFiが手元に来たため、基本的にすべてT-mobile利用でプリペイドSIMでチャージをしながら使いました。
ただ、印象から言ってLAのダウンタウンでも電波が弱い時も多かったし、CESの会場なんて早々にAT&TとT-mobileは帯域がパンクしてアウトだったし、SFのチャイナタウンでもLAXでもダメなときは駄目だった。つながれば4Gサービスを展開しているので、純正機器で運用していたら速度はかなり出る。
SFでランチを一緒に食べた@miyagawaさんや@sekimuraさんに聞いてみると、T-mobileは電波状況は全般的にあまりよくないみたい。今はやっぱりVelizonでしょ!と言われたけどVelizonはSIMを使わないキャリアなのでVelizonロックの機器だけしか使えないのが最大のネック。
いずれにしても、どのキャリアでもUSではコンビニでもTall Free込の使い捨て携帯がかなり売っているので、通信重視だから要らない、のではなく手に入れた方が結局安くつくと思う。最後まで買わなかったのは意地張り過ぎだった。。。
特にPressとして動く以上頻繁に連絡をとりあう必要があるため、やはり音声通話可能な現地SIMの携帯は必要ですね。USではTall Freeの場合も多いし。もしもっといろんな意味で余裕があったらSIMロックフリーのiPhone4Sを買いにアップルストアまで走りたかったけど自重しましたよ。
少なくともSIMロックを続けている日本のキャリアはあまりセンス無いなあと思うわけです。SIMロックフリーのiPhone5が出たら買うんだ……多分。
あと、一番大事なのはバッテリー切れにしないこと。今回荷物の重さをケチってエネループのモバイルブースターを持って行かなかったのが大失敗。何度かiPhone死亡の危機に陥り、何も出来なくなるところだった。
CES2012総括
ソーシャルメディアやデジタルマーケティングとCESとの話題は別記事とするとして、総括すると、CESには参加して良かった。とても良かった。
個人向けのプロダクト・サービスの展示会であるため、私の専門領域である「個人向け」のプロダクト・サービスのトレンドを把握したり、たとえそれが家電や何らかの機器(デバイス)であっても、もはやインターネットとそれらをつないだりそれらを利用する物は世界的に普通になりつつあることを肌で感じることができた。
ただ、残念なことといえば、右向け右の内容も多かったこと。トレンドに乗る・把握するのはどこでも大事なことだけど、TVなら各社何でもかんでもSMART TVだったし、入出力のデバイスとしてスマートフォン・タブレットはもはや常識。独自デバイスを作っても結局Androidベースだったり。
結局展示を見て回っても、独自性がパッと見ても分からないところも正直あった。
世界標準としてiOSやAndroidがプラットフォームとして採用されているということは大変喜ばしいことだし、SMART TVの流れはインターネットサービスをまだまだ使っていない層を自然に取り込む技術としては素晴らしいこと。もちろん、私が見てまわれたのはごく一部の展示でありカンファレンスで、会場にはもっと面白い物もきっとあったはず。
来年はもっと効率よく見て回り、カンファレンスも参加し、情報交換もしてみたいな。
実際に見聞きしないと何事も分からないのです。少しでもCESの空気を感じられたことがなにより私の収穫だったし、とても良い経験になった。
最後にCESのパス手配・エアーの予約・ホテルの選定へのアドバイスと会期中のサポートなど@inozoさんと@warenosyoには本当にお世話になりましたのでお礼までに1枚。ありがとうございました。

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